![]() デュアルターゲットバイオセンサ細胞分析
专利摘要:
例えば、単一型細胞内の2つの異なる細胞ターゲットに対する、化合物スクリーニング、化合物プロフィーリング、又は双方の分析に使用される方法及び装置が本明細書において開示されている。 公开号:JP2011512843A 申请号:JP2010549658 申请日:2009-03-04 公开日:2011-04-28 发明作者:エリザベス トラン;トーマス;エー. バンチ;イェ ファン 申请人:コーニング インコーポレイテッド; IPC主号:C12Q1-02
专利说明:
[0001] 本出願は2008年3月5日に出願された米国仮出願第61/068,266号の利益を主張する。この出願の内容及びこの明細書で引用された全ての公報、特許、及び特許出願が参照として組み込まれている。] 背景技術 [0002] 本開示は、細胞分析アプリケーション、例えば、化合物スクリーニング及び化合物プロファイリングに用いる共鳴導波グレーティング(RWG)バイオセンサ又は電気インピーダンスバイオセンサ等のバイオセンサに関する。] [0003] 本開示は、単一のタイプの細胞内にある2つの異なる細胞ターゲットに対して若しくは異なるタイプの細胞である2つの異なる細胞ターゲットに対して、化合物スクリーニング用の及び化合物プロフィーリング用の細胞分析に用いる方法及び装置を提供する。] 図面の簡単な説明 [0004] 図1Aは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサ及び電気バイオセンサを使用するデュアル若しくは二重ターゲットに固有のスクリーニング用バイオセンサベースの細胞分析の態様を示している。 図1Bは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサ及び電気バイオセンサを使用するデュアル若しくは二重ターゲットに固有のスクリーニング用バイオセンサベースの細胞分析の態様を示している。 図2Aは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図2Bは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図2Cは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図2Dは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図3Aは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する別の例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図3Bは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する別の例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図3Cは、本開示の実施例における2つのクラスのGタンパク質共役受容体(GPCRs)に対する別の例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を示す図である。 図4は、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサを使用する例示的な二重ターゲットに固有のスクリーンの結果を示す図である、 図5Aは、本開示の実施例におけるA431細胞における2つの内在性受容体の例示的光学バイオセンサ細胞分析の結果を示す図であり、かかる2つの内在性受容体は2アドレナリン作用受容体及びヒスタミンH1受容体である。 図5Bは、本開示の実施例におけるA431細胞における2つの内在性受容体の例示的光学バイオセンサ細胞分析の結果を示す図であり、かかる2つの内在性受容体は2アドレナリン作用受容体及びヒスタミンH1受容体である。 図5Cは、本開示の実施例におけるA431細胞における2つの内在性受容体の例示的光学バイオセンサ細胞分析の結果を示す図であり、かかる2つの内在性受容体は2アドレナリン作用受容体及びヒスタミンH1受容体である。 図6Aは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサを使用する例示的二重ターゲットに固有のスクリーンの結果を示す図である。 図6Bは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサを使用する例示的二重ターゲットに固有のスクリーンの結果を示す図である。 図6Cは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサを使用する例示的二重ターゲットに固有のスクリーンの結果を示す図である。 図6Dは、本開示の実施例におけるRWGバイオセンサを使用する例示的二重ターゲットに固有のスクリーンの結果を示す図である。 図7Aは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図7Bは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図7Cは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図7Dは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図7Eは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図7Fは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図8は、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する作用薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図9Aは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する拮抗薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。 図9Bは、本開示の実施例におけるバイオセンサ細胞分析を使用する拮抗薬に対する例示的な化合物ライブラリースクリーニングの結果を示す図である。] 図1A 図1B 図2A 図2B 図2C 図2D 図3A 図3B 図3C 図4 発明の詳細な説明 [0005] 本発明の様々な実施例が、添付の図面を参照して詳細に説明されるであろう。様々な実施例に対する言及は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明は、添付した請求の範囲によってのみ画定される。さらに、本明細書における実施例は、限定するものではなく特許請求の範囲に記載された発明から考えられる多くの実施例の内、いくつかについて説明しているにすぎない。] [0006] 定義 「分析(assay)」、「分析する(assaying)」等の用語は、例えば、リガンド候補化合物等の外因性刺激を用いた刺激に対する細胞の光学的応答又はバイオインピーダンス応答の存在の有無、量、程度、動特性、及び態様を判定する分析を意味する。] [0007] 「付着する(attach)」、「付着(attachment)」、「付着(adhere)」、「付着され(adhered)」、「固定された(immobilized)」等の用語は、一般に、例えば、本開示の表面改質性物質、相溶剤、細胞、リガンド候補化合物等を、物理吸着、化学結合等のプロセス若しくはこれらの組み合わせのプロセスによって、表面に固定若しくは固着せしめることを意味する。特に、「細胞の付着(cell attachment)」、「細胞の付着(cell adhesion)」等の用語は、例えば、バイオセンサ表面等の表面で細胞を培養せしめるか又は相互作用せしめることによって、表面との細胞の相互作用若しくは表面への結合を意味する。表面コーティング、固定材料、相溶剤(例えば、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミン、ゼラチン、ポリリジン等)、又は、細胞接着及び細胞状態若しくは成長を促進する同様の修飾剤等を有するバイオセンサ表面は、修飾されないし又は修飾され得る。懸濁細胞に対して、細胞は、例えば、培養中に物理的定着により又は表面細胞相互作用によりバイオセンサの検出ゾーンと接触するようになされ得る。表面と細胞との相互作用は、いくつかの手段により実現され得る。すなわち、いくつかの手段とは、基底細胞膜タンパク質又は分子と反応性表面との共有結合、電荷ベースの電気的相互作用、検知表面に存在する分子(すなわち、抗体、リガンド)と基底細胞表面分子との結合、又は同様の手法である。] [0008] 「付着性細胞」とは、基板の外部表面に関連付けられ若しくは基板の外部表面上に固定され、又は特定の接触を維持する原核生物の細胞又は真核性細胞等の細胞、細胞株又は細胞システムを意味する。培養後のかかるタイプの細胞は、洗浄媒質交換処理、すなわち、多くの細胞ベースの分析に必須である処理に対して抵抗力を有し、耐性を有し得る。「弱付着性細胞」とは、細胞培養中に、基板の外部表面と弱く相互作用し、基板の外部表面と弱く関連し、基板の外部表面と弱く接触する原核生物の細胞又は真核性細胞等の細胞、細胞株又は細胞システムを意味する。しかしながら、これらのタイプの細胞、例えば、人間の胎児性腎臓(HEK)細胞は、洗浄液若しくは媒質の交換等の物理的に妨害的な手法により、基板の表面から容易に解離する傾向がある。「懸濁細胞」とは、望ましくは、媒質で培養される細胞又は細胞株を意味し、細胞は、培養中に、基板の表面に付着若しくは固着しない。「細胞の培養」又は「細胞培養」とは、原核生物細胞若しくは真核性細胞が一定条件下で培養される処理を意味する。「細胞の培養」とは、多細胞の真正核細胞から得られた細胞、特に動物細胞の培養だけではなく、複合生体組織及び期間等の培養をも意味する。] [0009] 「細胞」等の用語は、1つ以上の細胞核と他の多種の細胞小器官を任意で含み、半透明の膜によって外部的に結合された通常小なる微小質量の原形質を意味し、生命の基本的な機能を単独で実行し又は生命の基本的な機能を実行する他の同等の集団と相互作用することができ、且つ、独立的に機能することができる生物の最小構造ユニットを形成することができ、合成細胞構造体、細胞モデルシステム、人工の細胞システムを含む。] [0010] 「細胞システム」等の用語は、細胞の集合を意味し、互いに相互作用して生物学的病態生理学的機能又は生理的病態生理学的機能を発揮する1つより多数のタイプの細胞(又は単一タイプの細胞の異なる形態)の集合を含み得る。かかる細胞システムは、例えば、器官、生体組織、幹細胞、分化した肝細胞等の細胞システムを含む。] [0011] 「ターゲット」等の用語は、細胞性タンパク質又は生体分子を意味する。その活性化は、細胞信号伝達を調節し又は細胞機能を調節し得る。ターゲットは、例えば、受容体、ホスファターゼ、キナーゼ、酵素、DNA、RNA等であり得る。受容体は、例えば、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、トランスポータ、イオンチャンネル、インテグリン受容体、ナトリウム/プロトン交換体等であり得る。キナーゼは、例えば、タンパク質キナーゼA、タンパク質キナーゼC、ミトーゲン活性化タンパク質(MAP:mitogen‐activated protein)キナーゼ、細胞外信号によって調整されたキナーゼ、Src、Rhoキナーゼ、焦点的密着性キナーゼ等であり得る。酵素は、例えば、細胞膜結合性アデニリルシクラーゼ、可溶性アデニリルシクラーゼ、プロテアーゼ等であり得る。] [0012] 「デュアル‐」、「二重の」、「二重化‐」等の用語は、2つの異なるターゲットを介して調節された細胞の応答若しくは活性を測定する分析を意味し、かかる2つの異なるターゲットとは、例えば、Gq‐共役受容体及びGs‐共役受容体、2つの異なるGq‐共役受容体、GPCR及び受容体チロシンキナーゼ、GPCR及び酵素、GPCR及びキナーゼ等の組み合わせである。] [0013] 「多重の(Multiplex)」、「多重化(multiplexed)」等の用語は、2つ以上の個々のターゲットを介して調節された細胞の応答若しくは活性を測定する分析を意味する。ターゲットは、例えば、同一分類のターゲット、例えば、GPCRsに属するし、又は、異なる分類のターゲット、例えば、2つのGPCRs及び1つの受容体チロシンキナーゼに属し得る。] [0014] 「スクリーン(Screen)」、「スクリーニング(screening)」等の用語は、例えば、1つ以上の化合物、薬物の候補又は生物製剤(例えば、RNAi、抗体)の薬理学的な活性を調べるための組織的な調査を意味し、それら薬理学的な活性は、特定のターゲット、細胞タイプ、又は細胞システムに作用する。薬理学的な若しくは生物学的な活性は、生物に対する薬物の有益な若しくは不利な効果を表すものである。] [0015] 「プロファイル(Profile)」、「プロファイリング(profiling)」等の用語は、特定のターゲットを介して調節された細胞の光学的又はバイオインピーダンス応答の振幅等の、周知の又は所定の信号出力に基づいた、薬物候補、化合物の薬理活性、又は1つ以上の細胞ターゲットを介した生体細胞若しくは細胞システムに関する生物学的活性に関する情報の推定を意味する。] [0016] 「マーカ」等の用語は、少なくとも1つの細胞ターゲット(例えば、Gq‐共役受容体、Gs‐共役受容体、Gi‐共役受容体、G12/13‐共役受容体、イオンチャンネル、受容体チロシンキナーゼ、トランスポータ、ナトリウム‐プロトン交換体、細胞核受容体、細胞性キナーゼ、細胞性タンパク質等)の活性を調節することができ、且つ、イオセンサーによって測定されるように信頼性の高い検出可能な出力若しくは応答が得られる分子、生物分子、又は生物製剤を意味する。目的とする細胞ターゲットの分類及び後に生ずるセル事象に依存して、マーカは、例えば、GPCR、受容体チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase)、イオンチャネル、細胞核受容体、細胞酵素アデニールサイクラーゼに対しては、作用物質、部分的作用物質、逆作用物質等の活性剤であり得る。また、マーカは、特定の種類の細胞ターゲットに対しては抑制物質であり得るし、例えば、アクチンフィラメント若しくはマイクロチューブに対しては抑制物質又は破壊物質であり得るし、又はRhoキナーゼ等のキナーゼ若しくは抗体に対しては抑制物質であり得るし、又は、抗表皮成長因子受容器抗体等の細胞表面分子等に対しては同様の物質である得る。] [0017] 「検出」等の用語は、少なくとも2つのリガンドによって誘起された細胞応答を同時に発見し又は検知し、かつ、検知された信号伝達経路をリガンド化合物が存在しないことから区別する本開示の装置及び方法の能力を意味する。] [0018] 「特定する」等の用語は、少なくとも2つのターゲットに与えるリガンド化合物の効果を特定するだけでなく、少なくとも2つのターゲットに与えるリガンド化合物の影響又は相互作用の性質を分類する本開示の装置及び方法の能力を意味する。] [0019] 「刺激」、「治療候補化合物」、「治療候補物質」、「予防的候補物質」、「予防的物質」、「リガンド候補」等の用語は、バイオセンサに固着され又は付着された細胞ターゲットと相互作用するようなその潜在能力の対象となる自然に生ずる分子若しくは材料又は合成的な分子若しくは材料を意味する。治療候補物質又は予防候補物質は、例えば、化合物、生物学的分子、ペプチド、タンパク質、生物試料、薬物候補の小分子、薬物候補の生物学的分子、薬物候補小分子‐生物の結合体、及び同様の物質若しくは分子、又はそれらの組み合わせを含み、タンパク質、DNA、RNA、イオン、脂質、又は、生細胞の同様の構造若しくは要素等の2以上の細胞性ターゲットのうちの少なくとも1つに特に結合せしめ又は相互作用せしめ得る。] [0020] 「バイオセンサ」等の用語は、適切な装置と組み合わせて、所定の分析物を検出することができるデバイスを意味する。バイオセンサは、生物学的要素を物理化学的検出構成要素に結合せしめ得る。バイオセンサは、通常3つの部分から構成される。すなわち、(生体組織、微生物、病原体、細胞、細胞要素、又はこれらの組合せ等の)生物学的構成部又は生物学的要素と、(例えば、光学的、圧電的、電気化学的、熱測定的、若しくは磁気的等の物理化学的手法で動作する)検出要素と、双方の構成部に関連付けられたトランスデューサとから構成される。実施例において、光学的バイオセンサは、例えば、生体細胞における分子認識事象又は分子刺激事象を定量化可能な信号に変換し得る。] [0021] 当業者にはよく知られている簡略名(例えば、時間又は(複数の)時間に対して「h」若しくは「hr」、(複数の)グラムに対して「g」若しくは「gm」、ミリリットルに対して「mL」、室温に対して”rt”、ナノメータに対して「nm」、等の簡略)が使用され得る。] [0022] ”含む(Include)”、”含む(includes)”等は、含むこと(including)を意味するがこれに限定されない。] [0023] 本開示の実施例を説明するのに使用された、例えば、成分の構成要素、濃度、堆積、処理温度、処理時間、収量、流速、圧力等の値の量、及びその範囲を修飾する「約」という用語は、例えば、生じうる数量における変分を意味する。かかる変分は、例えば、化合物、構成、濃度、使用製剤に対して使用された通常の計測及び処理を介して、これら手法における不注意な誤動作を介して、方法を実行するのに使用される製造方法、ソース、又は出発物質若しくは成分の純度における差を介して、同様の事項を介して、生じる。また、「約」という用語は、特定の初期濃度若しくは混合度を有する例えば成分、形態、又は細胞培養の経時変化に起因して生ずる異なる量を包含し、特定の初期濃度若しくは混合度を有する成分又は剤形の混合処理又は処理工程に起因して生ずる異なる量を包含する。 “約(about)”という用語によって修飾された本明細書に添付された特許請求の範囲は、これら量の均等物を含む。] [0024] 実施例において「〜本質的に成る(Consisting essentially of)」とは、例えば、構成、剤形、又はバイオセンサの表面上の成分を製造し又は使用する成分、方法、及び、本開示の物品、デバイス、若しくは装置を意味し、特許請求の範囲に記載された構成要素又はステップと、構成物、物品、若しくは装置の基本的且つ新規な特性と、本開示の製造方法及び使用方法とに物質的に影響を与えない特定の反応物質、特定の添加物若しくは成分、特定の物質、特定の細胞若しくは細胞株、特定の表面修飾剤若しくは条件、特定のリガンド候補物質、可変選択された同等の構造、材料、又は処理等の他の構成要素又はステップと、を含み得る。本開示の構成要素若しくはステップの基本特性に有形的に影響し、又は、本開示に不要な特性を与え得る事項は、例えば、リガンド候補等の刺激に応答したバイオセンサ表面に対する細胞の低親和性、細胞に対するリガンド候補の低親和性、細胞、特異的若しくは不利な細胞活性に対する病原菌の低親和性、及び、同様の特性を含む。いくつかの実施例において、望ましくない特性を有する上記の実施例は、代わりに、細胞に対するリガンド候補の親和性を低減せしめ又は細胞に対する病原菌の親和性を低減せしめる条件若しくはリガンドの発見等の本開示のスクリーニング若しくはプロファイリングアプリケーションにおいて大いに望ましく且つ有益であり得る。] [0025] 特に指定しない限り、本明細書で使用された不定冠詞“a”“an”、又は対応する定冠詞“the”は、少なくとも1つ、又は1つ以上を意味する。] [0026] 要素、成分、添加剤、細胞のタイプ、抗体等、及びその範囲に対して開示された特定の値又は好ましい値は、例示する目的のためにあるに過ぎず、それらは他の画定された値又は画定された範囲内の他の値を除外しない。本開示の構成、装置、及び方法は、いかなる値を有するこれらを含み、或いは、本明細書に記載された値、特定の値、より特定の値、及び好ましい値のいかなる組合せも有するこれらを含む。] [0027] 本開示は、例えば、単一タイプの細胞内にある2つの異なる細胞ターゲットに対して、化合物スクリーニング及び化合物プロフィーリング分析に使用する方法及び装置を提供する。] [0028] 実施例において、本開示は、無標識バイオセンサを使用して化合物プロフィーリング、スクリーニング、又は双方を目的とする多重化ターゲットに固有のスクリーニング方法を提供する。] [0029] 実施例において、スクリーニング方法は、例えば、バイオセンサを提供するステップと、少なくとも2つの異なるターゲット(すなわち、第1のターゲット及び第2のターゲット)を発現する細胞株サンプルをバイオセンサ表面に固定するステップと、バイオセンサに接触せしめられた細胞株サンプルをリガンド候補にある期間培養等して接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって処理された細胞株を少なくとも2つのマーカを含む混合物に培養等して接触せしめるステップと、培養中にバイオセンサの出力を観測するステップと、当該混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含み、各マーカは少なくとも異なるターゲットのうちの1つの活性を選択的に調節し得る。] [0030] 実施例において、前記ターゲットは、例えば、受容体、細胞性タンパク質、又はそれらの組合せのうち少なくとも1つを含み得る。前記細胞性タンパク質は、例えば、細胞性酵素、細胞性キナーゼ、細胞構造タンパク質、又はそれらの組合せのうち少なくとも1つを含み得る。] [0031] 前記受容体は、例えば、Gq‐共役受容体、Gs‐共役受容体、Gi‐共役受容体、G12/13‐共役受容体、受容体チロシンキナーゼ、イオンチャンネル、ナトリウム‐プロトン交換体、インテグリン受容体、トランスポータ、又はそれらの組合せのうち少なくとも1つを含み得る。実施例において、前記マーカは、例えば、作用薬、部分的作用薬、又は逆作用薬のうち少なくとも1つを含み得る。実施例において、作用薬は、例えば、ターゲットを活性化して、検出可能なバイオセンサ出力信号を生成し得る。実施例において、前記マーカは、例えば、抑制物質又は抗体のうち少なくとも1つを含み、マーカは、例えば、ターゲットを活性化して、検出可能なバイオセンサ出力信号を生成し得る。実施例において、前記マーカの各々は異なるターゲットの前記活性を明確に調節し得る。実施例において、 前記ターゲットは、例えば、一対のGq‐共役受容体、一対のGq‐共役受容体及びGs‐共役受容体、一対のGi‐共役受容体とGs‐共役受容体、一対のGタンパク質共役受容体及び受容体チロシンキナーゼ、又は一対の受容体及び細胞性タンパク質のうち少なくとも1つを含み得る。実施例において、バイオセンサの出力に与えるリガンド候補の作用は、例えば、マーカによって誘起された信号応答を調整し得る。実施例において、その調整は、例えば、信号の振幅、動的特性、反応速度、又はこれらの組合せであり得る。実施例において、 スクリーニング方法は、例えば、バイオセンサを提供するステップと、少なくとも2つの異なるターゲット(すなわち、第1のターゲット及び第2のターゲット)を発現する細胞株をバイオセンサ表面に固定するステップと、細胞株を、ターゲットではなくターゲットの活性を妨げる細胞性タンパク質の前記活性を抑制する少なくとも1つの遮断薬を含むカクテル溶液に接触せしめるステップと、当該バイオセンサに接触せしめられた細胞株サンプルをリガンド候補に適切な期間培養するステップと、当該リガンド候補処理細胞下部を少なくとも2つの活性剤を含む混合液を用いて培養するステップと、培養中にバイオセンサの出力を観測するステップと、当該混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含み、前記活性剤の各々は前記異なるターゲットのうちの1つを選択的に活性し得る。] [0032] 実施例において、遮断薬及びリガンド候補は別々に又は共に添加され得る。別々に添加される場合には、遮断薬は、望ましくは、リガンド候補の前に添加される。遮断薬は、例えば、細胞性タンパク質のための拮抗薬、細胞性タンパク質に対しては抑制物質、細胞性タンパク質に対しては干渉RNA(RNAi)、細胞性タンパク質に対してはアンチセンス核酸等で有り得る。実施例において、溶液等の遮断薬は、例えば、リガンド候補の前に添加され得る。実施例において、溶液等の遮断薬は、例えば、リガンド候補と共に添加され得る。] [0033] 実施例において、スクリーニング方法は、例えば、バイオセンサを提供するステップと、第1のターゲットを発現する第1の細胞株と第2のターゲットを発現する第2の細胞株を含む細胞の混合群を、前記バイオセンサ表面に培養等固定せしめるステップと、当該バイオセンサに固定されて混合された細胞群をリガンド候補に適切で且つ十分な期間接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって処理された細胞株を2つの活性剤を含む混合物を用いて培養するステップと、培養中にバイオセンサの出力を観測するステップと、当該混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含み、1つの活性剤が第1のターゲットを選択的に活性化し、別の活性剤が第2のターゲットを活性化する。] [0034] 実施例において、2つのタイプの細胞は、例えば、親細胞株と親細胞株を用いる培養細胞であり得る。あるいは、2つの細胞はもともと異なり得る。] [0035] 実施例において、スクリーニング方法は、バイオセンサを提供するステップと、ターゲットを発現する第1の細胞株とターゲットを発現しない第2の細胞株を含む細胞の混合群を、前記バイオセンサ表面に固定せしめるステップと、当該バイオセンサに接触せしめられた細胞株をリガンド候補に適切で且つ十分な期間接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって処理された細胞株を、例えば、ターゲットを選択的に活性する活性剤を含む溶液を用いて培養するステップと、培養中にバイオセンサの出力を観測するステップと、当該活性剤によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含み得る。] [0036] 実施例において、望ましくは、例えば、GPCRを発現する培養細胞及びGPCRを発現しない親細胞の2つの細胞株がお互いに関連する。双方の細胞株のシーディング番号は予め決定されて得るので、培養の後に、2つのタイプの細胞間の望ましい比は、例えば約1から約1までであり得る。細胞の得られた混合群がターゲットに対する活性剤を用いて刺激されるとき、ターゲットを発現する細胞だけを使用することと比較して、得られた平均応答は、約50%になるであろう。また、リガンド候補がターゲットに特有の活性剤であるときにそれは活性剤として匹敵する応答を提供し得る。リガンド候補がターゲットに特定されない活性剤であるときに、それは異なる応答を提供し得る。] [0037] 実施例において、スクリーニング方法は、例えば、バイオセンサを提供するステップと、第1のターゲットを発現する第1の細胞株と第2のターゲットを発現する第2の細胞株を含む細胞の混合群を、前記バイオセンサ表面に固定せしめるステップと、ターゲットではなく少なくとも1つのターゲットの活性を妨げる細胞性タンパク質の前記活性を抑制する細胞株を少なくとも1つの遮断薬を含むカクテル溶液に接触せしめるステップと、当該バイオセンサに接触せしめられた細胞株サンプルをリガンド候補に適切で且つ十分な期間接触せしめて、例えば、細胞との、より具体的には細胞ターゲット又は受容体とのあらゆるリガンド相互作用をも検出又は測定するステップと、当該リガンド候補処理細胞下部を少なくとも2つの活性剤を含む混合液を用いて培養するステップと、培養中にバイオセンサの出力を観測するステップと、当該混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、含み得るし、前記活性剤の各々は前記異なるターゲットのうちの1つを選択的に活性する。] [0038] 実施例において、バイオセンサは、例えば、光学的バイオセンサ、特に共鳴導波グレーティングバイオセンサーであり得るし、又は、例えば、電気バイオセンサ、特にバイオインピーダンスバイオセンサーであり得る。細胞は、受容体A及び受容体B等(図1,165,170)の2つの異なる受容体を発現する単一の細胞タイプであり得る。あるいは、細胞は2つの異なるタイプの細胞であり、各々が1つの受容体を発現し、2つのタイプの細胞は、センサの表面に載置される前に共に混合され得る。双方の受容体は同じタイプの受容体(例えば、Gq‐共役受容体)に属し得るし、一対のGq‐共役受容体及びGs‐共役受容体、一対のGPCR及び受容体チロシンキナーゼ、又は、同様の受容体の組合せ等の異なるタイプの受容体に属し得る。2つの受容体が同様の信号伝達経路を生じせしめるとき、それら対応する活性剤の濃度は、望ましくはそれらEC50値周辺にあり得る(すなわち、その最大の応答の50%を生じせしめる受容体に結合し且つ受容体を活性化する活性剤の濃度)。2つの受容体が異なる信号伝達経路を生じせしめるときに、それら対応する活性剤の濃度は、例えば約EC10から約10xEC100,又はより高い広範囲にわたっている。] [0039] 実施例において、本開示は、各々が化合物スクリーニングと化合物プロファイリング用の異なるターゲットを活性化する2つの異なる作用薬若しくは作用薬の組合せを使用する方法を提供する。方法はターゲット固有ベースのスクリーニング及びプロフィールに有益であり得るし、そして、特に、2重化又は多重化された受容体若しくはターゲットスクリーニングに大いに適している。] [0040] 実施例において、現開示は、RWGバイオセンサ又は電気インピーダンスバイオセンサ等の無標識バイオセンサを使用した生きた細胞環境において多重化されたターゲット固有の化合物スクリーニング及びプロフィールを提供する。本開示は細胞工学又は同様の操作の必要性を排除し、Ca2+の可動可等の、同一の若しくは等しい細胞信号伝達経路を必要とする同一ターゲットクラスを有する必要性を排除する。しかしながら、培養細胞又は細胞の操作が使用され得る。] [0041] 実施例において、ターゲットは、同じ群(例えば、Gq‐共役受容体)又は異なる群に属し得る(例えば、1つはGq‐共役受容体であり得るし、もう1つはGs‐共役受容体であり得るし、あるいは、1つはGs‐共役受容体であり得るし、もう1つはGi‐共役受容体、一対のGタンパク質共役受容体及び受容体チロシンキナーゼ、受容体とプロテインキナーゼC等の細胞内キナーゼを含む一対、又は、タンパク質キナーゼC等の細胞内キナーゼとアデニリルシクラーゼ等の酵素との一組であり得る)。] [0042] 実施例において、活性剤又はマーカは、受容体に対しては作用薬であり、又は、キナーゼ若しくは酵素に対しては活性剤であり得る。所定の細胞若しくは細胞系において、活性剤のパネルは、その各々が信頼でき且つ検出可能なバイオセンサ信号を生じせし得るし、予め決定されており且つ選択され得る。例えば、RWGバイオセンサ等の光学的バイオセンサが使用されるときには、ヒト類表皮腫癌A431細胞において、活性剤のパネルが、以下のグループ若しくは複数のグループから選択され得る。] [0043] 作用薬又は内因性GPCRsに対する部分的作用薬は、例えば、ブラジキニンB2受容体に対してブラジキニン、2アドレナリン作動受容体に対してエピネフリン、アデノシンA2B受容体に対してアデノシン、プロテアーゼ活性化レセプターサブタイプ1に対してトロンビン若しくはSFLLR‐アミド、プロテアーゼ活性化レセプターサブタイプ1に対してトリプシン若しくはSLIGKV‐アミド、ヒスタミンH1受容体に対してヒスタミン、P2Y受容体に対してアデノシントリフォスフェイト(ATP)、LPA受容体に対してリゾホスファチジン酸(LPA)、であり得る。例えば、「Fang, Y., et al., J. Pharmacol.Tox.Methods, 2007, 55, 314‐322.」を参照されたい。] [0044] 内因性の受容体チロシンキナーゼに対する作用薬は、例えば、EGFRに対する上皮成長因子(EGF)であり得る。例えば、「Fang, Y., et al., Anal.Chem., 2005, 77, 5720‐5725.」を参照されたい。] [0045] 内因性イオンチャネルに対するイオンチャネルオープナーは、例えば、ATP感受性カリウムイオンチャネルに対するピナシジルであり得る。] [0046] 細胞性酵素に対する活性剤は、例えば、アデニールサイクラーゼに対するフォルスコリンであり得る。] [0047] 細胞性キナーゼに対する活性剤は、例えば、12‐deoxyphorbol13酢酸、プロテインキナーゼCに対するホルボール12ーミリステート13ーアセターテであり、又はタンパク質キナーゼAに対する8‐ブロモ‐cAMP及びSp‐cAMPS及びジブチリルーAMPで有り得る。] [0048] 破壊剤は、例えば、アクチンフィラメントに対してサイトカラシンD、又はマイクロチューブに対するノコダゾールであり得る。] [0049] インテグリン受容体に対する活性剤は、例えば、可溶性フィブロネクチン若しくはそのフラグメントであり得る。] [0050] 細胞膜破壊剤は、例えば、細胞膜リークを生じさせるサポニンであり得る。例えば、「Fang, Y., et al., FEBSLett., 2005, 579, 4175‐4180.」を参照されたい。] [0051] アポトーシス誘発物質は、例えば、Ca2+依存性細胞アポプトーシスを引き起こすCa2+イオノフォアA23187であり得る。] [0052] キナーゼ抑制因子は、例えば、Rhoキナーゼに対するY‐27632であり得る。] [0053] 各ターゲットを用いて調べられた細胞の刺激は特定のセル事象、信号伝達経路、又は信号伝達ネットワーク相互作用を生じせしめ、各信号伝達経路は異なるセットの細胞ターゲットを必要とし得るので、マーカの選択されたパネルは、所定の細胞システムにおける細胞信号伝達経路の多く(すべてでなくても)を含むであろう。] [0054] 実施例において、本開示は、バイオセンサを使用して、化合物のターゲット特有の多重化スクリーニング及びプロフィールの方法を提供する。本開示の方法の重要な特性は、例えば、細胞ベースの分析における光学バイオセンサ又は電気インピーダンスバイオセンサへの適用の可能性、少なくとも分析スループットの倍増、一つの分析で同時に分析され得る異なるクラスのターゲットへの広い適用可能性、含み、そして、方法は、受容体‐受容体相互作用の測定に適切であり得る。] [0055] 受容体ー受容体相互作用は、異なるレベルの、例えば、2つの受容体の二量化、受容体のオリゴマ化、それらダウンストリーム信号伝達カスケードを介したクロストーク、又は、同様の相互作用、及び、それ組合せ、を生じ得る。従来の細胞ベースの分析は、Gタンパク質共役受容体のようなターゲット受容体を介して調節された特定のセル事象の測定に依存する。そのディメンジョン故に、異なるクラスのターゲット受容体が所定の細胞タイプにおける異なる細胞情報伝達を生じせしめるという認識とともに、複数ターゲット受容体に対するスクリーニングは、理解しにくいままである。] [0056] 標準のスクリーニングキャンペーンは、一度に単一のターゲットについて検査することを通常必要とし得るし、効力のある薬物候補を特定することに成功しているものの、化合物の選択性に関して生成された情報は、非常に少ない。現在、選択性の研究が薬物の発見過程の川下で行われている。しかしながら、不利な結合の故に、後のステージにおいて化合物を放棄することは、薬物の発見過程をより高価で且つ時間的に消費せしめるものにしてしまう。複数のターゲットに対して同時に化合物の活性を調べる複数ターゲットスクリーンは、薬物の発見過程における初期のステージにおける化合物選択性を効率的に扱う点において非常に有益であり得る。] [0057] 一般的な多重化スクリーニング方法は、ミクロアレイ技術に通常基づいており、単一の実験における多くの遺伝子及びタンパク質の同時解析のための種々の用途に使えるツールになった。タンパク質ミクロアレイの使用は、タンパク質の存在量のプロファイリングから、例えば、タンパク質の位置、修飾、及び他の化学的であり生物学的な分子との相互作用の判定まで拡大された。これら開発は創薬と開発過程における新規な発想を生じせしめた。化合物プロファイリング及びスクリーニングのためのミクロアレイの実施例が、例えば、空気に安定なGPCRミクロアレイを含む。例えば、「Fang, Y., et al., ”Membrane protein microarrays”, Journal of the American Chemical Society, 2002, 124, 2394‐2395。」、「Fang, Y., et al., ”Air‐stable G protein‐coupled receptor microarrays and ligand binding characteristics”, Analytical Chemistry, 2006, 78, 149‐155」を参照されたい。バーコード化されたCellCardキャリア上に培養された細胞を用いた細胞アレイについては、例えば、「Beske, O., et al., ”A novel encoded particle technology that enables simultaneous interrogation of multiple cell types,” Journal of Biomolecular Screening, 2004, 9, 173‐185」を参照されたい。または、固体状態トランスフェクションを用いた細胞移入された細胞クラスタアレイについては、例えば、「Mishina, Y.M., et al., ”Multiplex GPCR assay in reverse transfection cell microarrays,” Journal of Biomolecular Screening, 2004, 9,196‐207」を参照されたい。これら技術は、GPCRミクロアレイに過剰に発現したターゲット受容体を有する溶解された細胞から浄化された細胞膜の小片等の細胞の工学的技術若しくは操作を一般的に必要とし、又は、細胞のクラスタアレイに対する移入、又は、異なるタイプの細胞若しくはCellCard技術の単一のタイプの細胞の培養された変異形を必要とする。] [0058] また、二重の機能的分析が、例えば、安定して移入された2つの細胞群を正確な比で混合せしめることによって、Ca2+のフラックス測定に基づいて、開発されており、各個体群はターゲットを発現する。1つの受容体を活性化し得る「ヒット」が存在する場合、それは、例えば、FLIPR(fluorometricイメージングプレートリーダー)システムを使用して、蛍光信号の50%を生じせしめる。さらに、別のヒットがクロスー活性を有し、2つの受容体を活性し得る場合には、「ヒット」は信号の100%を生じせしめるだろう。かかるスクリーンは、単一のターゲットスクリーンを使用して生成された潜在的ヒットを二倍にするであろう。しかしながら、付加的スクリーンが、ヒットを抽出するのに単一のターゲットスクリーンを使用して、必要とされるであろう。かかる2重の分析は2つのGq‐共役受容体にのみ制限され、双方が、Gqとその後のCa2+の移動性を介して信号伝達を調節する。] [0059] 実施例において、本開示は、無標識スクリーニング方法を提供し、かかる方法は、バイオセンサの表面に共に固定された2つのタイプの細胞を含む細胞の混合群を有するバイオセンサを提供するステップと、当該固定された細胞をリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって誘起されたバイオセンサの出力を判定するステップと、を含む。2つのタイプの細胞は、例えば、親細胞とターゲットを発現する培養細胞であり得るし、2つの培養細胞の各々が1つのターゲット、又は、2つの自然細胞を発現する。] [0060] 実施例において、本開示は、無標識スクリーニング方法を提供し、かかる方法は、第1のターゲットを発現する第1の細胞株と第2のターゲットを発現する第2の細胞株を含み且つその双方がバイオセンサの表面に共に固定された細胞の混合固体群を有するバイオセンサを提供するステップと、当該固定された細胞にリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって処理された細胞を2つのマーカを含む混合物に接触せしめるステップと、当該マーカ混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含む。各マーカはターゲットの活動を明確に調節する 1.無標識バイオセンサベースの細胞分析 一般に、無標識細胞に基づく分析は、生体細胞においてリガンドによって誘起された応答を観測するバイオセンサを採用している。バイオセンサは、光学的、電気的、熱的、音響的、磁気的トランスデューサ等のトランスデューサを通常利用しており、分子認識事象又はバイオセンサに接触せしめられた細胞におけるリガンド誘起の変化を定量化可能な信号に変換する。これら無標識バイオセンサは分子の相互作用の分析に使用される、分子複合体が時間とともにどのように形成し且つ分離するのかを特徴付けることを含み、細胞が刺激に対してどのように応答するのかを特徴付けることを含み、細胞応答に対する細胞が刺激に対してどのように反応するのかを特徴付けることを含む。図1は、無標識細胞ベース分析のベースとして現在使用されている共鳴導波グレーティング(RWG)バイオセンサ及び電気バイオセンサの2つのタイプのバイオセンサと、化合物のデュアルターゲットベースのスクリーニング及びプロフィーリング用のバイオセンサベースの細胞分析を使用する方法と、を強調表示している。] [0061] RWGバイオセンサ及びシステム RWGバイオセンサは、例えば、基板(例えば、ガラス)、埋め込まれたグレーティング構造を有する導波薄膜、及び細胞層を含む(図1a)。RWGバイオセンサは回折格子によって生ずる導波部に対する光の共鳴結合を利用し、界面において次々に電磁場が形成される溶液表面の界面において全内反射が生ずる。この電磁場は事実上エバネッセントであり、電磁場はセンサの表面から指数関数的に減衰することを意味している。すなわち、電磁場が初期値に関して1/eに減衰する距離は、侵入深さとして知られており、特定のRWGバイオセンサに関する設計の関数であるものの、通常約200nmのオーダーである。このタイプのバイオセンサは、かかるエバネセント波を利用して、センサ表面近傍の若しくはセンサ表面における細胞層のリガンド誘起の変化を特徴付ける。] [0062] RWG装置は角度シフト測定若しくは波長シフト測定に基づいて複数のシステムに細分化され得る。波長シフト測定において、一定の角度で入射波長の範囲に及ぶ偏光が、導波路を照明するのに使用され、特定波長の光は導光路内で結合され、導波導光路に沿って伝播する。あるいは、角度シフト装置において、センサは単色光を用いて照明され、光が共鳴結合される角度が測定される。共鳴条件は、バイオセンサの表面と直接的に接触している細胞層(例えば、細胞の密集度、細胞の付着度、及び細胞状態)によって影響を受ける。リガンド又は分析物が生体細胞内の細胞ターゲット(例えば、GPCR、キナーゼ)と相互作用するときに、細胞層の局所的な屈折率変化が、共鳴角度のシフト(又は共鳴波長のシフト)として検知され得る。] [0063] Corning社‐Epic社‐システムは、無標識生化学的又は細胞ベースの分析に対してRWGバイオセンサを使用している(コーニング株式会社、コーニング、NY)。Epic‐システムは、RWGプレートリーダーと、SBS(Society for Biomolecular Screening)規格サイズのマイクロタイタープレートと、から成る。プレートリーダーにおける検出システムは、細胞内のリガンド誘起の変化の結果として生じた入射光の波長シフトを測定するために、統合ファイバ光学装置を利用している。一連の照明‐検出ヘッドが直線的に配置されているので、反射スペクトルが、384ウェルのマイクロプレートのカラム内の各ウェルから同時に収集される。各センサが複数回扱われ得るように、全プレートが走査され、各カラムは連続して処理される。入射光の波長は、収集されて、分析に使用される。温度変動に帰属する入射波長の不要なシフトを最小化するために、温度制御装置が装置に含まれ得る。] [0064] 電気バイオセンサ及びシステム 電気バイオセンサは、基板(例えば、プラスチック)、電極、及び細胞層(図1b)から成る。この電気的な検知手法において、細胞は基板上に並べられた小さな金の電極上に培養され、システムの電気インピーダンスが経時的に調べられる。インピーダンスは細胞層の電気伝導率の変化の指標である。通常、固定周波数若しくは変動周波数におけるわずかに一定の電圧が、電極又は一連の電極に印加され、回路を介した電流が時間とともに観測される。リガンド誘起の電流変化によって、細胞の応答に関する指標が与えられる。細胞全体について検出するためのインピーダンス測定は1984年に最初に実現された。それ以来、インピーダンスベースの測定は、細胞の付着及び拡散、細胞の微小運動、細胞の構造変化、及び細胞の死を含む広い範囲における細胞の事象を研究するために利用されてきた。古典的なインピーダンスシステムは、小さな検出電極及び大きな基準電極の使用に帰属して、分析について変動性が高いという欠点を有する。この変動性を克服するために、CellKey system(MDS Sciex、南サンフランシスコ、カリフォルニア州))やRT‐CES(ACEABiosciences株式会社、サンディエゴ、カリフォルニア州)等のシステムの最新世代は、ミクロ電極アレイを有する集積回路を利用している。] [0065] CellKeyシステムは、環境的に制御されたインピーダンス測定システム、96ウェルの電極が埋め込まれたマイクロタイタープレート、オンボード96ウェルのフルイディクス、及び、カスタム収集及び解析ソフトウェアから成る。細胞は培養ウェルでシードされ、各ウェルは集積された電極アレイを有する。システムは、1KHzから10MHzまでの24の周波数を有する小振幅交流電圧を使用することで動作する。結果として生じる電流は2秒の更新レートで測定される。システムは熱的に調整され、実験は、例えば、28℃と37℃との間で行われ得る。96ウェルのヘッド流体デリバリデバイスが、搭載された流体の添加及び交換を処理する。] [0066] RT‐CESシステムは4つの主要素を含み得る。すなわち、電子マイクロタイタープレート(E‐PlateTM)、Eープレートステーション、電子分析器、及びデータの収集及び表示用のモニターシステムの要素である。電子分析器は、電子信号を送信し、受信する。E‐プレートステーションは組織培養保育器内に載置される。E‐プレートステーションは3つの種類のスループットに入る。すなわち、6つの16ウェルのE‐プレートを一時に駆動する16xステーション、単一の96ウェルE‐プレートステーション、及び、一度に、最大で6つの96ウェルE‐プレートを収容することができる複数E‐プレートTMステーション、の3つである。細胞はE‐プレート内でシードされ、マイクロ電子センサアレイに集積される。システムは、複数の周波数において低電圧(20mV未満)交流信号で動作する。] [0067] RWGバイオセンサを用いたGPCR活性化の光学信号 例えば、通常何十ミクロンを有する比較的大きいサイズの細胞は、動的な物体である。RWGバイオセンサは、細胞の底部におけるリガンド誘起の変化の検出を可能にし、そのリガンド誘起の変化の検出はエバネセント波の侵入度によって決定される。その上、光学的バイオセンサの空間分解能は、入射光源のスポットサイズ(約100ミクロン)によって決定される。したがって、一般に、非常に密集した細胞層が、最適な分析結果を得るのに使用され、センサの構成は、例えば基板、導波薄膜、及び細胞層を含む三層導波複合体と見なされ得る。細胞生物物理学とともに3層導波バイオセンサ理論に従って、我々は、細胞全体の検出において、有効屈折率におけるリガンド誘起の変化、すなわち検出された信号Nは数式(1)によって規定されることを見出した。] 数式1 [0068] ] [0069] ここで、S(C)は細胞層に対するシステムの感度である、そして、Δncはバイオセンサによって検知された細胞層の局所的な屈折率におけるリガンド誘起の変化である。ΔZcは細胞層への侵入深さであり、αは特定の屈折率の増分(タンパク質に対しては約0.18/mL/g)であり、ziは、質量の再分配が生ずる距離であり、dは細胞層内の薄片の架空の厚さである。ここで、細胞層は垂直方向において均等に離間された部分に分割される。我々は、検出された信号が細胞層の底部分の屈折率ncの変化に一次に正比例することを想定した。同様に、細胞内の所定の容積の屈折率は、主にタンパク質等の生物分子の濃度によって主に決定されると仮定すると、ncは検出ボリューム内の細胞性ターゲット又は分子集合の局所濃度変化に正比例する。指数関数的に減衰するエバネッセント波の特性を考慮して、重み付け因子exp(‐zi/Zc)が、生ずる局所的タンパク質濃度の変化に考慮されている。したがって、検出された信号は、センサの表面から異なる距離で生じる集団再分布の総和であり、各々が全ての応答に対して不均一に寄与する。数式(1)が示していることは、局所的なタンパク質の濃度変化の結果として、RWGバイオセンサを用いて検出された信号は主として垂直な集団再分布に対して敏感であることである。検出された信号は、動的集団再分布(DMR:dynamic mass redistribution)信号と呼ばれている。] [0070] GPCR活性は、一連の空間的事象且つ時間的事象を生じせしめる。その一連の空間的事象且つ時間的事象とは、例えば、リガンドの結合、受容体の活性化、タンパク質の漸増、受容体の内部化及び再利用化、二次的伝達物質の代替、細胞骨格の再モデル化、遺伝子の発現、及び、細胞接着の変化、を含む。各細胞の事象は、反応速度、所要時間、振幅、及び質量の移動に関するそれ自身の特性を有する。したがって、それらが生じるところによって、これら細胞の事象が、全体的なDMR信号に異なる寄与をし得ることを想定するのは妥当である。種々のGPCRsをターゲットとする作用薬のパネルを使用する際に、我々は、調節された信号伝達経路を反映するヒト類表皮腫癌A431細胞内における3つのクラスのDMR信号を特定した。各々が一つのクラスのGPCRsと関連付けられているので、受容体が結合されるGタンパク質に依存して、得られたDMR信号は、それぞれGq‐DMR信号、Gs‐DMR信号、及びGi‐DMR信号と命名された。各クラスのDMR信号は、GPCRsの異なるクラスのGPCRsを介して調節された固有の信号を積分したものを反映して、異なる運動特性及び動的特性を示す。DMR信号の固有の特性が、親のないGPCRsのGタンパク質結合機構を特定するのに使用され得る。] [0071] GPCR活性化のバイオインピーダンス信号 典型的なインピーダンスベースの細胞分析において、細胞は移動されて培養ウェルの底に並べられた金の電極に接触される。センサーシステムの総インピーダンスはバイオセンサを囲むイオン環境によって主として決定される。電界を印加すると、イオンは電界によって指向された運動を行い、濃度勾配による拡散を受ける。細胞全体の検出において、全電気インピーダンスは4つの成分を有する。すなわち、電界溶液の抵抗、細胞のインピーダンス、電極/溶液界面におけるインピーダンス、及び電極/細胞界面におけるインピーダンスの4つの成分である。さらに、細胞のインピーダンスは抵抗及びリアクタンスの2つの成分を含む。細胞のイオン濃度に関する伝導特性は抵抗成分を与えるものの、不完全なコンデンサとして作用する細胞膜は周波数に依存する応答要素に寄与する。したがって、全インピーダンスは多くの要因の関数である。その要因とは、例えば、細胞の生存能力、細胞の密集度、細胞の数、細胞の形態、細胞の付着度、イオン環境、細胞内の水分、検出周波数等を含む。] [0072] RT‐CESシステムにおいて、細胞内部に小電位が印加される。細胞に印加されたかかる信号は、典型的なほ乳動物細胞の静止膜電位よりもはるかに小さいと信じられており、その結果、細胞の機能をほとんど抑制しないか、若しくは全く抑制しない。RT‐CESシステムは、インピーダンスのこれら変化を測定し、細胞インデックスと呼ばれるパラメータとしてそれを表示する。数式(2)に従って、細胞インデックスが計算される。] 数式2 [0073] ] [0074] ここで、Nは、インピーダンスは測定され振動数ポイントの数(例えば、10kHz、25kHz、及び50kHzに対してN=3)であり、R0(f)とRcell(f)は、ウェルにおいて細胞が存在しない場合と存在する場合における周波数電極抵抗である。] [0075] CellKeyシステムにおいて、センサシステムインピーダンスの変化は、受容体刺激に応答して生ずる細胞層の複雑なインピーダンス(デルタZ又はdZ)変化に帰属される。低周波数において、印加された小電圧によって、層内の個々の細胞周辺に流れる細胞外電流(iec)が誘起される。しかしながら、イオンチャンネルに起因する細胞膜を介した伝導電流は、また、低レベル測定周波数で重要であり得る。高周波数において、それらにより、細胞膜に侵入する細胞内電流(itc)が誘起される(図1b)。各ウェルに対して測定された電流に対する印加電圧の比が、オームの法則により説明されるように、インピーダンス(Z)となる。] [0076] 細胞が受容体リガンド等により刺激されるとき、アクチン細胞骨格の調節等の複雑セル事象を生じせしめる信号変換事象が、活性化され、例えば、細胞の密着性、細胞の形態、及び体積、細胞間の相互作用における変化、を生じせしめる。これら細胞の変化は、細胞外電流及び細胞内電流の流れに対して個別的又は集団的に影響を及ぼし、これにより、測定されたインピーダンスの強度及び特性に影響を及ぼす。例えば、CellKeyシステムは、異なるクラスのGPCRsの活性化を介して調節された細胞のインピーダンス応答を特定するのに使用された。結果が示すことは、受容体が結合されるGタンパク質に依存して、3つのクラスのGPCRs活性化を介して調節された3つのタイプのインピーダンス信号があることである。また、同様の分布が、RT‐CESシステムを使用して記録された。理論によって制限されないものの、これらインピーダンス信号は、異なるクラスのGPCRsの活性化に応答して、インピーダンスによって測定された細胞パラメータに影響を及ぼす。アクチン細胞骨格に与える異なる効果に起因していることが信じられている。Gq‐GPCRs及びGi‐GPCRsの活性化によって、アクチン重合が増強されるものの、Gs‐GPCRsの刺激によって、アクチン解重合が引き起こされることが示されている。] [0077] 光学的バイオセンサと電気バイオセンサの双方が、GPCR、受容体チロシンキナーゼ、キナーゼ、酵素、若しくは他の細胞性ターゲット等を含む多くの異なるクラスのターゲットに利用可能である。] [0078] 2.バイオセンサベースの細胞分析を使用する二重ターゲット固有のスクリーニング バイオセンサベースの細胞分析は多重化可能である。所定の細胞株における同一クラスのターゲット(例えば、Gq‐共役受容体)の活性化は、ほぼ同一の光学的サインを生じせしめる。これは、同一群内の多重のターゲットが同時に分析され得ることを示している。例えば、A431細胞は、ブラジキニンB2受容体、P2Y受容体、及びプロテアーゼ活性化レセプター(PARs)を内生的に発現する。ブラジキニン、ATP、又はトロンビンを用いた刺激の際には、静的A431細胞は同様のGq‐タイプの光学サインに応答する。約20時間の無血清培地を使用して、静的な状態が連続的な培養を介して得られる。Fluo‐3分析は、3つの全ての受容体の活性化がGq信号伝達を調節することを示している。これらの観測は、同一の細胞内で発現された同一クラスの受容体を活性化し得る化合物又はヒットを、スクリーニングするのにバイオセンサベースの分析が使用され得ることを示している。] [0079] Gタンパク質共役受容体(GPCRs)は、ヒトゲノムにおける最も豊富なクラスの薬物ターゲットであり、そして、製薬業に対してポピュラーなターゲットである。約30の周知のGPCRsは、現在売り出されたすべての薬のうちの約40%に相当するターゲットであり、多くの他の機能的に特性化されていないGPCRsは潜在的に薬物使用のタッゲットであり、創薬における未開拓の資源を代表するものである。新規GPCR薬を市場に導く取り組みが分析方法、特に機能的細胞分析における革命を促進した。しかしながら、現行の分析は、大抵、経路バイアスされており、GPCR信号伝達カスケードにおける「接触点」を測定するに過ぎない。GPCR信号伝達の複雑さと、リガンドによって指向された機能的選択性と、に関する最近の実現が与えられると、これら経路バイアスされた分析は、偽陰性をもたらす傾向がある。その上、従来の分析の多くが、多重化に対するそれら容量の限界とそれら経路バイアスされた特性の故に、一度に単一のターゲットを通常分析する。複数のターゲットに対する化合物の活性を同時に調べることができる複数ターゲットスクリーンは、化合物の選択性を取り組むことに論理的に適している。] [0080] 表面プラズモン共鳴(SPR)、共鳴導波グレーティング(RWG)、及びプラズモン導波共鳴(PWR)を含む無標識光学バイオセンサは、生体分子相互作用解析にきまりきって使用される。最近、無標識光学バイオセンサは細胞全体の感知のために利用された。そして、これらバイオセンサは、内因性受容体の活性化を観測することができ、受容体リガンドペアに関する高い情報と生理学的に関連した測定を生じせしめる(「Fang, Y. et al.”Resonant waveguide grating biosensor for living cell sensing”, Biophys.J., 2006, 91, 1925‐1940」を参照)。これら分析は細胞信号伝達の事前知識を必要とせず、そして、経路不遍である(「Fang, Y. et al., ”Non‐invasive optical biosensor for assaying endogenous G protein‐coupled receptors in adherent cells”, J. Pharmacol.Toxicol.Methods, 2007, 55, 314‐322」を参照されたい)。記録された光学応答は、経路敏感であり、受容体の信号伝達の複雑性を反映している(「Fang, Y., et al., ”Optical biosensor provides insights for bradykinin B2 receptor signaling in A431 cells”, FEBSLett., 2005, 579, 6365-6374」を参照されたい)。] [0081] 図面を参照すると、図1は、バイオセンサベースの細胞分析及びデュアルターゲットに固有のスクリーニングの原理を示している。図1aは、細胞内(100)におけるリガンドによって誘起された動的質量再分布を観測するRWGバイオセンサを示している。細胞はバイオセンサの表面上で直接培養され得るし、又は、センサの底面に接触するよう移動され得る。実施例において、RWGバイオセンサは、例えば、ガラス基板(105)と、グレーティング構造が埋め込まれた導波(110)薄膜と、光源(112)と、そして、得られた屈折光を検知し且つ処理する手段(113)と、を含み得る。検出ゾーン(115)内の質量再分配及び細胞(120)の底部のみが直接測定される。図1bは、バイオセンサと細胞(150)を囲むイオン環境を観測するための電気バイオセンサである。細胞は、例えば、基板(160)上に整列された金の微小電極(155)を有するバイオセンサの表面で培養され得る。可変周波数の低交流電圧(例えば、電気パルス(180))を細胞に印加しながら、細胞外性電流(161)及び細胞移入電流(162)の双方が測定され得る。図1a及び1bにおいて、四角(■)は受容体A(165)に対するリガンド(163)を表しており、一方、丸(○)は受容体B(170)に対するリガンド(168)を表している。受容体AとBの双方が同一細胞内で発現される。] [0082] 実験手順 材料 LOPACがシグマケミカル社(セントルイス(ミズーリ州))から購入された。S(‐)エピネフリン、ドーパミン、ノルエピネフリン、及びヒスタミンは、Tocris(セントルイス、ミズーリ州)から入手した。(±)マレイン酸ブロムフェニルアミン、(±)クロルフェニラミン・マレイン酸、塩酸クレミゾール、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン、又は、塩酸トリプロリジン、SKF91488ジマレイン酸、塩酸ラニチジン、カテコールとチオペラミドマレイン酸は、シグマ社(セントルイス、ミズーリー州)から購入された。Bachem(キング・オブ・プロシア(ペンシルベニア州))からSFLLR‐アミドが取得された。細胞培養互換性Epic社‐384ウェルRWG(resonant waveguide grating)細胞分析マイクロプレートはコーニング株式会社(コーニング、ニューヨーク州)から入手した。] [0083] 細胞培養 ヒト表皮癌A431細胞(American Type Cell Culture)は、ダルベッコ改質Eagle媒質(DMEM:Dulbecco’s modified Eagle’s medium)内で培養され、かかる媒質には10%の牛胎児血清(FBS)、4.5g/リットルのグルコース、2mMのグルタミン、及び抗生物質が添加された。10%のFBSを含む50Lの媒質に3〜15回けん濁された約1.8×104の細胞が384ウェルマイクロプレートの各々のウェル内に設けられ、37℃で空気/5%CO2下で1日間培養され、続いて無血清DMEMにおいて継続して培養することによって、約20時間、飢餓せしめた。] [0084] 光学バイオセンサシステム及び細胞分析 コーニング‐エピック‐波長送受観測システムが使用された。このシステムは、温度制御ユニット、光学検知ユニット、及びロボティックスを有するオンボード液体処理ユニットから構成される。検知ユニットは、統合されたファイバオプティクスの中心に設けられ、そして、約7秒の又は約15秒の時間間隔で細胞応答の動的な測定を可能にせしめる。] [0085] RWGバイオセンサは、溶液‐表面界面における光の全反射によって形成されたエバネセント波を利用して、細胞内のリガンド誘起の動的集団再分布(DMR:dynamic mass redistribution)信号を測定する。エバネセント波は、細胞内部に広がり且つ距離とともに指数関数的に減衰し、約150nmの特性的な検出ボリュームが得られ、これは、受容体の活性化を介して調節されたすべての光学応答が、エバネセント波がサンプリングする細胞部分にわたる平均を表しているにすぎないことを意味している。バイオセンサを用いたかかるサンプリングは、生体細胞内の異なるクラスのGPCRの信号伝達を区別するには十分であり、GPCR信号伝達の簡単化された表示を提供する。] [0086] SPRのように、RWGバイオセンサは屈折率、生物分子の固有特性に敏感である。細胞内の所定の容積の屈折率は、タンパク質等の生物分子の濃度によって主に決定されるので、我々は、3層の導波グレーティング理論に基づいて、リガンドによって誘起された光学応答は動的集団再分布と大きく関連づけられていることを見出した。センサ表面に向かう細胞ターゲットの再分布(例えば、基底膜表面で活性化された受容体に対する細胞内のターゲットの再分布)は、DMR(P‐DMR)に対して正に寄与し、逆に、センサの表面から離間された細胞のターゲットの運動(例えば、受容体の内部化)は、DMR(N‐DMR)に対して負に寄与する。これらの事象が合わさって、リガンドによって誘起されたDMRの動特性及び振幅が決定される。しかしながら、PWR技術とセンサ表面上に固定され且つ生体外で再構成されたGPCRを使用した最近の研究によれば、受容体脂質膜システムに関してリガンドによって誘起された光学応答は、2つの成分、すなわち、質量密度の変化と構造の変化とから成るであることが示された。本明細書で使用されたRWGバイオセンサは、これらの成分の寄与を区別できないので、生体細胞内の生物分子の組織においてリガンドによって誘起された変化は、測定された全応答に寄与し得る。] [0087] バイオセンサ細胞分析に対して、2分のベースラインが最初に確立された。化合溶液は、ハンクス均衡塩類溶液(20 mM Hepes、pH 7.1)で細胞を維持するセンサープレートに移され、細胞応答が1時間に継続して記録された。その後、第2のベースライン(約2分)が確立され、2nMのエピネフリンと500nMヒスタミンを含むカクテル溶液が各ウェルに導入された。同時刺激応答はさらに1時間継続して観測された。すべての研究が被制御温度(28℃)にて行われ、そして、明確に言及しない限り、各測定に対して3回再現性が得られた。分析係数の変移は、通常約10%未満であることが見出された。すべての実験データ解析が、マイクロソフトエクセル又はプリズムソフトウェア(グラフパッド)のうち一方を使用して行われた。] [0088] 実施例 以下の実施例は、上述した開示を使用する方法をより完全に説明し、さらに本開示の種々な態様を行うように想定された最良の態様のうちの特定の実施例を説明し且つ例証するために用いている。これら実施例は、本開示の範囲をなんら限定するものではなく、むしろ例示の目的で与えられている。] [0089] 実施例1 SFFLR‐アミドとエピネフリンの双方又はブラディキニンとエピネフリンの双方を用いた同時刺激を印加した場合の静的A431細胞の光学応答 二次伝達物質レベルの固有の変化が時間と空間の双方で生じる区画化の概念は、高解像単一細胞画像システムの到来で、蛍光プローブと組み合わせて、確立された。Ca2+やcAMP等の二次伝達物質の生成及び調整以外に、GPCR信号伝達は、一連の高調整された空間的事象及び時間的事象を介して進行することが広く信じられている。しかしながら、受容体を介した一連の信号伝達事象のかかる「トンネリング」又は「チャンネリング」が、先に、例証され且つ確立されている。バイオセンサの検出ゾーン内における細胞に関してリガンドによって誘起された動的質量再分布に関連して、無標識光学的バイオセンサは積分された細胞応答の測定を可能にし、受容体生物学及びリガンド薬理学のための新規な読取方法を提供する。ここで、バイオセンサセル分析は、SFLLR‐アミド及びエピネフリンを用いた同時刺激に応答して、静的A431細胞の光学応答を調査するのに使用された。SFFLR‐アミドは、内因性Gq‐共役プロテアーゼ活性化受容体を介して信号伝達を調節した(Fang, Y. and Ferrie, A.M. ”Optical biosensor differentiates signaling of endogenous PAR1 and PAR2 in A431 cells,”BMCCell Biol., 2007, 8, 24を参照されたい)。これに反して、エピネフリンによって調節された信号伝達は、内因性のGsー共役2アドレナリン受容体(2AR)を介している(Fang, Y. et al., ”Non-invasive optical biosensor for assaying endogenous G protein-coupled receptors in adherent cells,” Journal of Pharmacological & Toxicological Methods, 2007, 55, 314-322を参照されたい)。] [0090] 図2は、2つのクラスのGタンパク質共役受容体に対する別の例示的RWGバイオセンサベースの細胞分析を提供する。図2aは、A431細胞におけるGq‐共役受容体(プロテアーゼ活性化受容体サブタイプ1,PAR1)(210)と、Gs共役受容体(β2アドレナリン受容器、β2AR)(220)を示している。A431細胞はPAR1とβ2ARの双方を内生的に発現する。SFLLR‐アミド(215)はPAR1固有の作動薬であるものの、エピネフリン(225)はβ2AR固有の作動薬である。図2bは、例えば、1マイクロモルのSFLLR‐アミドを用いたA431細胞の刺激がGq‐タイプDMR信号を生じせしめることを示している。図2cは、例えば、2ナノモルのエピネフリンを用いたA431細胞の刺激がGsタイプDMR信号を生じせしめることを示している。これは、各受容体を介して個別に調整された周知の信号伝達経路と一致している。すなわち、PART1活性はGq経路を生じせしめ、β2AR活性はGs経路を生じせしめる。図2dは、SFLLR‐アミド(1マイクロモル)及びエピネフリン(2ナノモル)を用いたA431細胞の同時刺激は光学的サインを生じせしめ、その光学的サインはSFLLR‐アミドとエピネフリンによって個別に誘起された光学的サインの合計であるようであることを示している。図2b、2c、及び2dにおいて、また、各時間ポイントにおけるエラーバーが含まれた。1つの考えられる解釈によれば、異なるクラスのGPCRsは異なるルートを介して信号伝達を調節し(例えば、「チャンネリング」又は「トンネルリング」)、細胞は、2つの異なった受容体をターゲットにする2つの作用薬を用いた同時刺激に対して相乗的に応答し得る。] [0091] 同様の結果がブラディキニンとエピネフリンによるA431細胞の同時刺激に関して観測された。図3は、2つのクラスのGタンパク質共役受容体に対するRWGバイオセンサベースの細胞分析の一例を提供する。その2つのクラスのGタンパク質共役受容体は、A431細胞におけるGq‐共役受容体(ブラディキニンB2受容体)及びGs‐共役受容体(β2アドレナリン受容体、β2AR)である。A431細胞はB2受容体とβ2ARの双方を内生的に発現する。ブラディキニンはB2固有の作動薬であるものの、エピネフリン応答はβ2AR固有の作動薬である。図3aは、16のナノモルのブラディキニンを用いたA431細胞の刺激がGq‐タイプDMR信号を生じせしめることを示している。図3bは、2つのナノモルのエピネフリンを用いたA431細胞の刺激がGsタイプDMR信号を生じせしめることを示している。これは、各受容体を介して調整された周知の信号伝達経路と一致している。すなわち、B2活性化は主としてGq経路を生じせしめる。これに反して、β2AR活性化はGs経路を生じせしめる。図3cは、ブラディキニン(2ナノモル)及びエピネフリン(2ナノモル)を用いたA431細胞の同時刺激が光学的サインを生じせしめることを示している。その光学的サインは、ブラディキニンとエピネフリンとによって個別に誘起された光学的サインの合計に密接に類似している。図3a、3b、及び3cにおいて、動的応答性が非常に再現性あることを示すために、各時間ポイントにおけるエラーバーも含まれた。] [0092] 実施例2 エピネフリン及びヒスタミンを用いた同時刺激に対する静的A431細胞の光学応答 A431は多数のβ2ARを内性的に発現するが、β1若しくはβ3‐ARsは発現しない。エピネフリンは静的A431細胞(410)において二相性のGsタイプのDMR応答を調節した(図4)。DMR信号は、短期間の小なる低信号(すなわち、N‐DMR)から成り、それに続いて、高レベルに達する増強された信号(すなわち、P‐DMR)から成る。エピネフリン応答は投与量依存し且つ可飽和であり(520)、明確な0.08±0.03nM及びEC50と0.95(n=10)のヒルスロープを生じせしめた(図5a及び図5c)。図5aにおいて、細胞は、異なる投与量(501:0.01ナノモル(nM)、502:0.02nM、503:0.04nM、504:0.08nM、505:0.16nM、506:0.64nM、507:2.56nM、508:10.25nM)のエピネフリンを用いて刺激され、そのリアルタイムの動的応答性が記録された。β遮断薬プロプラノロールは、投与量に依存して、エピネフリン応答を減衰させた(データは示されていない)、エピネフリン応答がβ2ARに固有であることと示唆している。] 図4 [0093] また、A431はヒスタミン受容体サブタイプ1(H1R)を内生的に発現する。ヒスタミンを用いた静的A431細胞の刺激は投与量依存的であり且つ可飽和のGq‐タイプ光学信号を生じせしめ、そのGq‐タイプ光学信号は初期のP‐DMRと後のN‐DMR(420)から成る(図4)。また、ヒスタミン応答は可飽和であった(図5b)。図5bにおいて、細胞は、異なる投与量(511:2.7nM、512:43.5nM、513:174nM、514:696nM、515:2,784nM、516:11,138nM、517:445,506nM)のヒスタミンを用いて刺激された。飽和曲線(530)は、ヒスタミン濃度の関数としてP‐DMR振幅としてプロットされるように、可変勾配を有するシグモイド非線型回帰によく一致するように見え、687±34nM(n=6)の明確なEC50と1.87のヒル係数を生じせしめる(図5c)。観測された極めて急激な活性化曲線は、未知の機構を介した受容体の肯定的な協同性が存在することを示している。A431の前処理は、H1固有拮抗薬、(±)‐ブロムフェニラミン、(±)‐クロルフェニラミン、クレミゾール、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、又は、トリプロリジンの各々が1Mにおいて行われ、1Mのヒスタミンによって誘起されたDMR信号を完全に抑制した。逆に、H2拮抗薬SKF91488及び1Mのラニチジンはヒスタミンの応答に対して明白な影響力を有しておらず、H3固有の拮抗薬チオパラミドに対しても明白な影響力を有していなかった。これら結果が提案することは、ヒスタミン反応は、主としてH1R固有である。] 図4 [0094] 二次伝達物質レベルの固有な変化は時間及び空間の双方で生じる分類された信号が確立され、GPCR信号伝達において支配的であることが知られている。DMR信号は受容体信号伝達のグローバルな指標であるので、少なくともバイオセンサの検出容積内における集団再分布に関して、異なるクラスのGタンパク質に結合した2つの受容体の同時活性化はDMR信号を生じせしめる。そのDMR信号は、各受容体の活性化を介在した2つのDMR信号の概ね和である。この仮説を調べるために、静的A431細胞はエピネフリンとヒスタミンとによって個別的に又は共に刺激された。結果が示すことは、実際には1Mのヒスタミン及び2nMのエピネフリンを用いたA431細胞の刺激が固有のDMR信号(430)を生じせしめた。そのDMR信号(430)は、個々に取得された2つのDMR信号の合計(440)に概ね類似している(図4)。その単純な付加的特性の故に、早期のP‐DMR事象はヒスタミン反応(450)に参照され、遅延P‐DMR事象はエピネフリン反応(460)である。上記示された実施例と共に、これらの結果は、異なるクラスのGPCRsは信号伝達をほぼ独立して調節し得るという第1の証拠を表しており、信号伝達カスケードの空間的及び時間的区分化がGPCR信号伝達に支配的であることを強く示している。受容体信号伝達の下流におけるセル事象の大部分は、「トンネルリング」又は「チャンネリング」として生ずる。] 図4 [0095] 興味深いことに、同時刺激DMR信号は2つの個々のDMR信号を単純に加算したものではない。初期のP‐DMRは計算された信号と概ね同一であったが、その第2の減衰フェーズにおいては、計算された信号よりもより高速な反応速度を示し、より大なる振幅が示された。理論によって制限されないものの、この原因は、ヒスタミンにより介在された信号伝達とエピネフリンにより介在された信号伝達とのクロストークに起因し得る。Gq‐共役受容体の活性化によって、cAMPマイクロドメインにおけるアデニールサイクラーゼが調整されることがよく知られている。この可能性を調べるために、減感分析は使用された。ここで、A431細胞は、異なる投与量のエピネフリン若しくはヒスタミンを用いて最初に前処理され、それに続いて、2nMのエピネフリン及び1Mのヒスタミンを含むカクテル溶液によって、同時刺激された。結果が示すことは、エピネフリンは、投与量依存してヒスタミン応答とエピネフリン応答の双方を、減衰せしめ(図6a)、ほぼ同一のIC50(それぞれ、0.66±0.20nM及び0.38±0.09nM(n=4))(図6b)を示した。図6aにおいて、細胞は異なる投与量(601:0.01nM、602:0.03nM、603:0.13nM、604:0.50nM、605:2nM、606:8nM、607:32nM、608:256nM)のエピネフリンを用いて前処理され、続いて1,000nMのヒスタミン及び2nMのエピネフリンを用いて同時刺激された。リアルタイムの同時刺激によって誘起されたDMR信号だけが、図6aに記録され且つ示された。図6bにおいて、エピネフリン反応(630)及びヒスタミン反応(620)の双方が細胞の前処理に使用されたエピネフリン濃度の関数としてプロットされた。高投与量におけるエピネフリンは後のヒスタミン応答を完全に抑制したものの、初期のヒスタミン応答を部分的に減衰させただけであった。逆に、ヒスタミンを用いた細胞の前処理はヒスタミン応答を、完全に抑制せしめ、1.6±0.4Mの明確なIC50及び1.4(n=4)のヒルスロープを示したが、エピネフリン応答(図6c及び図6d)をわずかに減衰せしめた。図6cにおいて、細胞は異なる投与量(611:2.7nM、612:10.9nM、613:43.5nM、614:174nM、615:696nM、616:2,784nM、617:11,138nM、618:44,550nM)のヒスタミンを用いて前処理され、続いて1,000nMのヒスタミン及び2nMのエピネフリンを用いて同時刺激された。リアルタイムの同時刺激により誘起されたDMR信号のみが、図6cに記録され且つ示されている。図6dにおいて、エピネフリン反応(650)とヒスタミン反応(640)の双方が細胞の前処理に使用されたエピネフリンの濃度の関数としてプロットされた。これら結果が提案することは、Gq‐共役受容体H1Rは、恐らくはcAMP‐PKA経路を介して、Gs共役受容体Β2ARとクロストークすることである。それにもかかわらず、これらの結果は、無標識バイオセンサ細胞分析を使用することでデュアル受容体固有のスクリーニング方法を例証している。] [0096] 実施例3 A431細胞に作用するLOPACライブラリを使用する作用薬スクリーニングのための光学バイオセンサ細胞分析 化合物のシグマ‐アルドリッチLOPAC1280TMライブラリは、いくつかのGPCRsを含むすべての主なターゲットクラスに対して1280の生物に影響を与える小有機分子を含み、バイオセンサ細胞分析を使用してスクリーニングを有効にせしめるために選択された。リガンド誘起のDMR信号は積分された応答であり、多くのリガンドは、多くの場合、細胞内の1つより多い受容体に対して交差性活性を示すので、ライブラリー・メンバは、0.1%のDMSOを含む1xHBSS内で希釈されて、オフターゲット効果を最小にするようにスクリーニングする1マイクロMの最終濃度が得られた。その上、リガンド誘起のDMRは、リガンド薬理学を分析するための多くの有益なパラメータ(例えば、相、振幅、及び動力学)を含むリアルタイムの運動の応答である。LOPACライブラリは、リアルタイム動的測定を使用することで、A431細胞内内因性の受容体に対する作用薬をスクリーンするのに使用された。図7は、方法を使用してライブラリを用いて取得されたいくつかの代表的クラスのDMR信号をまとめている。ヒスタミンはGqタイプのDMR信号を生じせしめた(図7a)。2AR完全作用薬、(±)イソプロテレノール及びR(‐)イソプロテレノールは、典型的GsタイプのDMR信号を生じせしめた(それぞれ、図7b及び図7d)。2つの2AR部分作用薬である(±)CGP12177及びS(‐)ピンドロールは、初期のN‐DMR事象なしで延長されたP‐DMR事象からのみ成るGs類似DMRを生じせした(図7c及び図7e)。ルテニウムレッド、ミトコンドリアCa2+ユニポーターの抑制物質、及びVR1バニロイド受容体によって結合されたイオンチャネルは、より大なる振幅を有するGs類似DMR信号を生じせしめた(図7f)。ライブラリにおける多くの化合物のように、効能があるH1拮抗薬トリプロリジンは、大きなDMR信号を全く生じせしめなかった(ネットゼロDMRと称される)(データは示されていない)。] [0097] エピネフリン反応とヒスタミン反応の双方の動的分布に基づいて、4つのタイプのエンドポイント測定は、ライブラリにおける化合物の応答を決定するのに選択された。まず、刺激前から刺激後2分の間における波長変化に関する応答が計算された。結果が示すことは、このエンドポイント測定を使用して、一つのヒット(ヒスタミン)だけがライブラリから特定された(データは示されていない)ことである。エピネフリンにおける初期のN‐DMR事象が比較的小さかったので、かかるエンドポイント測定はGsー共役受容体作用薬を特定するのに不十分に確固としたものであるようであった。逆に、ヒスタミン応答における初期のP‐DMR事象がかなり大きかったので、かかるエンドポイント測定はGq‐共役受容体に対する作用薬を特定するのに十分適していた。] [0098] 第2に、刺激前から刺激後50分の間における波長変化に関する応答が計算された。結果が示すことは、このエンドポイント測定はGs‐共役受容体に対する作用薬を特定するのに十分適していた(データは示されていない)ことである。しかしながら、GqタイプのDMR信号は、初期の急激なP‐DMRと初期のベースラインまで減衰しない後のN‐DMRから成るので(図4及び図5b)、それは、Gq‐共役受容体に対する作用薬を特定しない。] 図4 [0099] 第3に、刺激後2分から50分の間における波長変化に関する応答が計算された。2つの時間ポイント間の共鳴波長の差は化合物(図8)の関数としてプロットされた。結果が示すことは、かかる2つのタイムポイント測定は、Gq‐共役受容体とGs‐共役受容体の双方のためのライブラリ内で作用薬を特定するのに十分であり且つ確固としたものであることである。すなわち、刺激の前2分、刺激の後50分(データ示されていない)、同様のヒットが、3つのポイント測定を用いて選択された。したがって、刺激がH1R及び2ARの双方に対するヒットを選択するのに使用された後に、2分から50分、応答が波長変化と共に測定された。H1Rに対する作用薬は大なる負の応答を生じせしめるだろうが、一方、2AR作用薬は正の応答を生じせしめるだろう。] 図8 [0100] 図8に図示されているように、Gq‐共役H1Rに対して1つのヒットしかなかった。ヒスタミンは大なる負の応答を生じせしめた。R(‐)‐α‐メチルヒスタミン及びイメチトの2つのH3R固有の作動薬があるものの、LOPACにおいて、ヒスタミンは唯一の広帯域スペクトルヒスタミン受容体作動薬である。 1Mでの2つのH3R作用薬は明白なDMR信号を全く生じせしめなかった。ヒスタミン受容体作動薬の近傍においては、A431はGq‐共役P2Y受容体を内因的に発現するものの、ライブラリにおける1MのP2Y作用薬は、明確であり若しくは特定のDMR信号を全く生じせしめたかった。理論によって制限されないものの、これは、恐らく、P2Y受容体を活性化するこれら作用薬の低い効力に起因した。] 図8 [0101] 逆に、異なる振幅を有する正の応答を引き起こす多くのヒットがあった。225±18pm(n=64)の反応を生じせしめるエピネフリンの正の制御に基づいて、170〜280pmの応答を生じせしめたヒットは、完全部分作用薬若しくは強部分作用薬として考えられた。結果が示すことは、63のヒットが、完全部分作用物質若しくは強部分作用物質として作用したことである。かかる完全部分作用物質若しくは強部分作用物質は、12のアデノシンレセプター作用薬、27のアドレノセプタ作用薬、及び、7つのドーパミン受容器作用薬である。さらに、40〜170までの応答を生じせしめるヒットは、部分的若しくは弱い部分作用薬であると考えられた。結果が示すことは、51のヒットが、6つのアデノシン作動薬、6つのアドレノセプターアゴニスト、および5つのドーパミンアゴニストを含むこのカテゴリになったことである。この高い正のヒットレートは、A431も、アデノシン受容体を内生的に発現し、そのアデノシン受容体の活性化がエピネフリン同様のDMR応答を生じせしめるという事実を反映している。その上、多くのドーパミン作用薬がβ2ARを活性化することが知られている。2つの低い濃度ベータ受容体作動薬、(±)エフェドリン、およびアミオダロンを除いて、ライブラリの他のすべてのベータ受容体作動薬が正しく特定された。そのような低偽陰性率は、内因性GPCRsに対するリガンドをスクリーニングする開示されたバイオセンサ細胞分析方法の実行可能性を部分的に例証している。] [0102] 実施例4 バイオセンサ細胞分析を用いたデュアル受容体‐特定拮抗薬スクリーニング ヒスタミン及びエピネフリンを用いたA431細胞の同時刺激が、ヒスタミン及びエピネフリンの双方により調整された信号伝達からの特性を含むDMR信号を引き起こしたので、バイオセンサ細胞分析を用いたデュアル受容体‐特定拮抗薬スクリーニングの可能性が調べられた。この分析は、バイオセンサを用いた最初の作用薬スクリーニングを1時間行い、続いてヒスタミン及びエピネフリンを用いた同時刺激が実行された。ヒスタミン反応とエピネフリンの双方に与えるライブラリの化合物の影響は、それら対応するDMR振幅に基づいて調べられた(図9)。エピネフリン反応に対しては、77のヒットがあり、完全抑制(20±30pm)、57の部分的抑制物質(90±40pm)、および1,146の非抑制物質(190±60pm)を生じせしめた。ヒスタミン反応に対しては、51のヒットがあり、完全抑制(15±50pm)、79の部分的抑制物質(165±100pm)、および1,160の非抑制物質(370±110pm)を生じせしめた。] [0103] 初期の作用薬スクリーニングとその後の拮抗薬スクリーニングの間の相関分析によって、H1R若しくはβ2ARに作用する正のヒットの作用に関する明確化が促進される。ヒスタミンはGq類似DMR信号を生じせしめ、ヒスタミンに対しては細胞の完全な感度低下を生じせしめたが、エピネフリンに対しては、細胞の完全な感度低下を生じせしめなかった。ライブラリにおける全てのH1R拮抗薬は、DMR信号を全く生じせしめたかった。これらリガンドは、(±)‐ブロムフェニラミン、(±)‐クロルフェニラミン、(+)‐ブロムフェニラミン、(+)‐クロルフェニラミン、クレミゾール、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン、ドキシルアミン、メタピリレン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、ケトチフェン、ロラタジン、フェニラミン、及びトリプロリジンを含む。1microMでヒスタミン応答の部分的な阻害を生じせしめたサジテン、ロラタジン、およびフェニラミンを除いて、他のすべてのH1R固有の拮抗薬がヒスタミン応答を完全に若しくはほぼ完全に減衰せしめた。逆に、ライブラリのH2RもH3R‐特異的拮抗薬もヒスタミン反応におけるどんな重要な抑制も生じさせませんでした。ヒスタミン反応は、主としてH1R固有である。ことを示している。興味深いことに、2つのH2R拮抗薬ファモチジンとSKF95282はピンドロールと同様のDMRを生じせしめ、エピネフリンに対する細胞の部分的な感度低下を生じせしめたが、ヒスタミンに対する細胞の部分的な感度低下を生じせしめなかった。これは2つのリガンドがA431の内因性Gs-共役受容体に対してクロストークしていることを示している。その上、いくつかのアドレノセプタ取込み/再取込み抑制剤が、ヒスタミンの応答をほぼ完全に抑制したが、しかし、エピネフリン応答に対してほとんど影響を及ぼさなかった。それらは、プロトリプチリン、フェノキシベンザミン、アモキサピン、マプロチリン、デシプラミン、ノルトリプチリン、アミトリプチン、ドキセピンであった。] [0104] 顕著なDMR信号を生じせしめたアドレナリン作用受容体リガンドは、エピネフリンに応答する細胞の感度低下を生じせしめ、そして、感度低下は、リガンド誘起のP‐DMR事象の振幅に大きく関連付けられた。しかしながら、これらリガンドは、ヒスタミン反応を減衰せしめるそれら能力において大きく異なる。逆に、明確なDMR信号を全く生じせしめないアドレナリン作用受容体リガンドに対して、これら拮抗薬のうち10のみが、エピネフリン応答を抑制し、又は部分的に減衰させた。これらは、アルプレノロール、ベタキソロール、S(‐)‐チモロール、(S)‐(‐)‐プロパフェノン、(S)‐プロプラノロール、(±)‐メトプロロール、SR59230A、(±)‐プロプラノロール、ICI118,551、及び、(±)‐ソタロールであった。10のベータ遮断薬は、ヒスタミン応答に対してほとんど影響を及ぼさなかった。] [0105] 近年において蓄積された証拠は受容体とそれらの川下の信号伝達経路は分離して作用しないことを提案している。それらは、多くの折り畳み相互作用(クロストーク)を介して接続されて、信号伝達ネットワークにおいて関連づけられる。異なる受容体は複数レベルにおけるクロストークし得る。このクロストークは、細胞内信号伝達経路の相互作用、キナーゼによる受容体及び調節タンパク質のリン酸化、又は、細胞内のカルシウム離脱に与える作用を介して生じ得る。このクロストークが、個々の信号伝達経路間において情報の交換を確実に行い、そして、それら協同に対する分子基盤を提供する。したがって、特定の受容体の刺激は、次に、他の受容体によって活性化されたものと相互作用し得る信号伝達経路の活性化を生じせしめる。細胞表面の受容体間の物理的相互作用が受容体のクロストーク研究を実行する有益な方法を提供し得るということに関して認識及び支持が高まりつつある。受容体のクロストークは、細胞の機能の制御を微調整する方法を表しており、疾病及び細胞表面の受容体と相互作用する治療薬に対する応答を理解することに関連している。異なるGタンパク質‐共役受容体(GPCRs)間のクロストークはよく知られており、そして、大部分は細胞の応答の相乗効果と増幅を生じせしめる。開示されたバイオセンサ細胞分析を使用して、我々は、ヒスタミンはエピネフリン応答をわずかに減衰させ、エピネフリンは投与量依存してヒスタミン反応を部分的に減衰せしめたことを見出しました。cAMP‐PKA経路は、異なるクラスのGPCRsを介して調節された信号伝達の統合において中心的役割を果たし、そして、遍在する第2メッセンジャーCa2+は多くのアデニリルシクラーゼを調整し得るし、かかる調整は、これらの2つの主要な信号伝達システムの活性を統合するすべての機構を提供することが知られている。その上、同時刺激DMR信号は、大きいが、2つの個々のDMR信号を単純に加算したものではなく、2つの受容体を介して調整された信号伝達間においてクロストークが存在し得ることを示している。さらに、また、ライブラリの多くのアデノシン受容体作用薬がエピネフリン応答の完全な減衰を生じせしめた。これは、完全に確立された不均一な低感度と一致しており、異なるGs‐共役受容体は、cAMP‐PKA経路を介したクロス低感作を生じせしめ得る。] [0106] 開示されたバイオセンサ細胞分析は、いくつかの点において、多重化されたスクリーニングに使用され得る。まず、バイオセンサ細胞分析は、作用薬スクリーニングの特性を多重化している。バイオセンサは、内因性受容体の活性化を観測することができ、受容体リガンドペアの高い情報と生理的に関連した測定を生じせしめる。これら分析は細胞信号伝達の事前知識を必要とせず、そして、経路不遍である。しかしながら、記録された光学応答は、経路敏感であり、受容体の信号伝達の複雑性を反映していない。A431細胞は、アデノシン受容体、β2AR、及びヒスタミン受容体を内生的に発現し、そのリガンドがLOPACライブラリに提示されている。この作用薬スクリーニングにおいて、1Mのリガンドが、細胞を刺激するのに使用された。結果が示すことは、顕著なDMR信号を引き起こすリガンドは、アドレナリン作用受容体、アデノシン受容体、及びヒスタミン受容体に対するリガンドの3つの分類の化合物から主として生ずることである。また、β2ARを活性化できることが知られているいくつかのドーパミン受容体リガンドが、エピネフリンのような反応を引き起こし、β2ARに対するヒットとして、特定された。しかしながら、ライブラリにおける4つのP2Y作用薬は、顕著なDMR信号を全く生じせしめたかった。これは、おそらく、それら低濃度(データは示されていない)に帰属されるだろう。A431細胞が他の受容体(例えば、プロテアーゼ活性化受容体、ブラジキニンB2受容体、及び上皮成長因子受容体)を発現し、その他の受容体の活性化がバイオセンサ細胞分析を用いて検出可能であったので、ライブラリに提示される場合、これら受容体に対するリガンドはヒットとして特定されるだろう。] [0107] また、開示されたバイオセンサ細胞分析方法は、拮抗薬スクリーニングのために多重化され得る。同一の受容体をターゲットとする作用薬を用いた反復刺激の際の低感作以外に、多くの場合、細胞は不均一な低感作を介してそれら応答性を損失せしめる傾向がある。したがって、別の受容体(例えば、アデノシン受容体)に対する作用薬はターゲット受容体(例えば、2AR)に対する拮抗薬として作用するであろう。その上、バイオセンサ細胞分析は、積分されたDMR応答を測定するので、受容体(例えば、2AR)に対する作用薬は、異なる経路を介して(例えば、Gq‐結合体H1R)信号伝達を調節するターゲット受容体の応答を部分的に減衰せしめる。さらに、また、経路変調はターゲット受容体に対する拮抗薬として作用し得る。] [0108] 無標識光学的バイオセンサを使用することで測定されるリガンド誘起のDMR信号は積分された応答であり得るし、そして、受容体活性化の下流にある多くの細胞事象の寄与から成り、特に、これらは、バイオセンサの検出容積内における集団再分布を生じせしめる。受容体を介在されたこれらの事象からの寄与は、バイオセンサのセル分析をとても有益なものにする。しかしながら、また、従来のセル分析に対して所得された光学信号を「非特定的」なものにする。多くのリガンドは、多くの場合、細胞タイプの若しくは細胞系の1つより多い受容体に対して交差性活性を示す。その上、多くのGPCRリガンドが多くの場合有効的なバイアスを誘起して受容体を介して細胞信号伝達の特定部分を活性化し、その結果、リガンドによって指向された機能的選択性を示す。したがって、バイオセンサ細胞分析を使用して、GPCRリガンド薬理学を分析し、且つ、ターゲット受容体に対するリガンドをスクリーニングするとき警告が発動されるべきである。ターゲット特有のスクリーニングを達成するために、いくつかの手法が適用され得る。所定の細胞若しくは細胞系において、受容体のパニングは、バイオセンサ細胞分析を使用していくつの受容体が検出され得るかを決定するために実行されるべきである。そして、受容体生物学及びリガンド薬理学が研究されて、ターゲット受容体との受容体の干渉の可能性が決定され、且つ、ターゲット受容体の信号伝達の可能性が系統的に評価されるべきである。1つ以上の内因性受容体がターゲット受容体を阻害する場合、これら受容体の活性を抑制する拮抗薬を含むカクテル溶液が使用されて、ターゲット受容体に対する偽陽性が最小化される。あるいは、細胞エンジニアリング手法をも使用されて、ターゲット固有のDMR信号が高められ、又は、ターゲット以外の受容体を通して調節された信号が抑圧される。ターゲット受容体を有し若しくは有しない親細胞株及び培養細胞株の間のカウンタスクリーンが、ターゲット受容体に対する正のヒットを確立するのに実行され得る。] [0109] 本開示は、種々の特定の実施例及び技術を参照して説明されてきた。しかしながら、本開示の精神及び範囲内において多くの変更及び改良を行うことができることが理解されるはずであることが理解されるべきである。] [0110] 参照 1. Fang, Y., et. al., J. Biophys.J.91, 1925-1940(2006). 2. Fang, Y., et. al., Anal.Chem.77, 5720-5725(2005). 3. Fang, Y., et. al., FEBSLett. 579, 6365-6374(2005). 4. Fang, Y., et. al., J. Pharmacol.Toxicol.Methods55, 314-322(2007). 5. Fang, Y., Assays and Drug development Technologies, 4, 583-595(2006).]
权利要求:
請求項1 表面に固定され且つ少なくとも2つの異なるターゲットを有する生細胞を有するバイオセンサを設けるステップと、当該固定された生細胞をリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補処理細胞を2つのマーカを含む混合物に接触せしめるステップと、当該マーカ混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の効果を決定するステップと、を含む無標識スクリーニング方法。 請求項2 前記少なくとも2つの異なったターゲットは、前記バイオセンサにより互いに識別可能である第1のターゲット及び第2のターゲットを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項3 前記マーカの各々は前記異なるターゲットのうちの1つの活性を選択的に調節することを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項4 前記リガンド候補は、化合物、生物学的分子、ペプチド、タンパク質、生物試料、薬物候補の小分子、薬物候補の生物学的分子、又は、薬物候補小分子‐生物製剤の結合体の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項5 前記ターゲットは、受容体又は細胞性タンパク質のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項6 Gq‐共役受容体、Gs‐共役受容体、Gi‐共役受容体、G12/13‐共役受容体、受容体チロシンキナーゼ、イオンチャンネル、ナトリウム‐プロトン交換体、インテグリン受容体、又は、トランスポータのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。 請求項7 前記細胞性タンパク質は、細胞性酵素、細胞性キナーゼ、若しくは細胞構造タンパク質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。 請求項8 前記マーカは、作用物質、部分作用物質、又は、逆作用物質のうちの少なくとも1つを含む、前記作用薬は、ターゲットを活性化し且つ検出可能なバイオセンサ出力信号を生成することができることを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項9 前記マーカは、抑制物質又は抗体のうちの少なくとも1つを含み、前記マーカはターゲットを活性化し且つ検出可能なバイオセンサ出力信号を生成することができることを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項10 前記マーカの各々は異なるターゲットの前記活性を明確に調節し得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項11 前記ターゲットは、一対のGq‐共役受容体、一対のGq‐共役受容体及びGs‐共役受容体、一対のGi‐共役受容体とGs‐共役受容体、一対のGタンパク質共役受容体及び受容体チロシンキナーゼ、又は一対の受容体及び細胞性タンパク質のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 請求項12 前記バイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の前記作用は、当該マーカによって誘起された信号応答の調整を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項13 前記調整は、信号の振幅、動的特性、反応速度、又はこれらの組合せを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。 請求項14 表面に固定され且つ少なくとも2つの異なるターゲットを有する生細胞を含むバイオセンサを設けるステップと、当該固定された生細胞を2つのマーカの混合物に接触せしめるステップと、当該マーカ混合物により処理され且つ固定された細胞をリガンド候補にある期間接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記マーカの作用を判定するステップと、を含む無標識スクリーニング方法。 請求項15 前記少なくとも2つの異なったターゲットは、前記バイオセンサにより互いに識別可能である第1のターゲット及び第2のターゲットを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。 請求項16 表面に固定され且つ少なくとも2つの異なるターゲットを有する生細胞を有するバイオセンサを設けるステップと、当該固定された細胞を少なくとも1つの遮断薬に接触せしめるステップ、当該固定された生細胞をリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補処理細胞を2つのマーカを含む混合物に接触せしめるステップと、当該マーカ混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含む無標識スクリーニング方法。 請求項17 拮抗薬、抑制物質、干渉RNA、アンチセンス核酸、又は、細胞性タンパク質に対する抑制抗体のうちの少なくとも1つを含み、前記細胞性タンパク質は、前記マーカが目的とするターゲットではないものの、前記細胞性タンパク質の活性化は前記ターゲットの前記バイオセンサの応答を抑制することを特徴とする請求項16に記載の方法。 請求項18 前記遮断薬は、前記リガンド候補が添加される前に添加されることを特徴とする請求項16に記載の方法。 請求項19 前記遮断薬は前記リガンド候補と共に添加されることを特徴とする請求項16に記載の方法。 請求項20 表面に共に固定された2つのタイプの細胞を含む細胞の混合群を有するバイオセンサを提供するステップと、当該固定された細胞にをリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって誘起されたバイオセンサの出力を判定するステップと、を含む無標識スクリーニング方法。 請求項21 親細胞とターゲットを発現する培養細胞、2つの培養細胞の各々が1つのターゲットを発現する、又は、2つの自然細胞を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。 請求項22 第1のターゲットを発現する第1の細胞株と第2のターゲットを発現する第2の細胞株を含むが細胞の混合固体群を有するバイオセンサを提供するステップと、当該固定された細胞をリガンド候補に接触せしめるステップと、当該リガンド候補によって処理された細胞を、ターゲットの活性を明確に調節する2つのマーカを含む混合物に接触せしめるステップと、当該マーカ混合物によって誘起されたバイオセンサの出力に与える前記リガンド候補の作用を判定するステップと、を含み、前記第1及び第2細胞株が前記バイオセンサの表面に共に固定されていることを特徴とする無標識スクリーニング方法。
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